京都大学おすしだいすきクラブ活動報告

寿司を食べたり作ったりするサークルです。

活動報告『鹿握ニューワールドオーダー』

こんにちは。京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。

2月に引き続き、今回の総会でも京都中央卸売市場に行ってきました。タイトルの読みは『鹿握(ししあく)』です。よろしくお願いします。

総会:

集まって寿司を食べる。

楽しい。


今回も6:45集合の殺人日程でしたが、研ぎ澄まされた参加者が無事集まりました。

 

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市場に着きました。この時間でも終盤ムードが漂ってますが、これ以上集合を早めると人死にが出るリスクが高いです。

今回もいろいろを買いました。

 

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まずタイ。季節!という感じですね。
市場中を見て回った限り値段はピンキリで、上等そうなやつは3600円/キロとかしました。今回われわれが買ったやつは1200円/キロなのでキリの側です。

 

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次いでシラウオです。
生でいけるやつだという文句を信じて買いました。

 

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さらにサワラの半身です。
中骨付きなのでお得感があります。

以上3点を買いました。写真がもれなく薄暗いですね。

どんどん料理をしていきます。
全員がめちゃくちゃ調理に参加してくれたので捗りました。ありがとうございます。かわりに調理過程の写真はありません。

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できた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

????

身に覚えのない食材がいくつかありますね、何事でしょうか?

 

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まずこれは、マグロの目玉です。
これはマグロのアラを(個人的に)買った会員から提供してもらったものです。うれしいですね。

甘っ辛く煮つけるのが王道らしいです。
小鍋で煮えていく様子を見ていたんですが、謎のドゥルドゥルが流出してきて煮汁がトゥルトゥルになる、煮てるうちに分解されシャバシャバになる、煮解けてバラバラになる、とダイナミックな生涯でした。九相図。

初めて食べましたが、なるほど珍味という感じの味でした。ゼラチンと脂の暴力!身らしい身はほとんど無い代わりにプヨプヨした脂身が全体にくっついており、甘い味と合わさってとてもいい感じです。溶け出したゼラチン質と合わさって口がペタンペタンになる。

また、核(コア)みたいな部分も食べました。
煮魚の目玉の中心にある球状のやつです。犬夜叉でいう黒真珠。

これまで食べた多くの魚のコアは消しゴムみたいな食感で正直いまいちだったんですが、マグロは別でした。しっかりと繊維感と弾力があり、滲み出てくる味がおいしかったです。

念のためお椀状の骨も食べてみました。元々薄いうえ、やわらかく煮込まれていたので十分噛める状態でしたが、薄さが災いしてボール紙を食べてるみたいな気分になります。カルシウム不足の人は食べるといいでしょう。

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あともう1つはこれです。鹿。

鹿??

参加者の中に狩人が1人いて、提供してくれました。うれしいですね。
いいかんじに低温調理に供したものが写真です。野生動物であるため十分に加熱しないと非常に危険なんですが、温度とか時間の設定は「勘」でいきました。真似しないでください。


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さらにフライパンで焦げ目をつけ、切りました。おいしそ〜〜

実際おいしかったです。牛よりさらにあっさりした赤身肉で、スジもない上等な身だったので永遠に食べていられます。魚料理の中に平然と溶け込める肉と言えると特異性が伝わるでしょうか。もう一度言いますが、おいしかったです。

 

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サワラの半分をアクアパッツァにしました。

こちらの調理は参加者に一任したんですが、オリーブオイルを容赦しないことがコツらしいです。たしかに乳化した煮汁がソースとして大変いいかんじになっており、間違いのない知見だなあと思いました。加熱されたサワラは身がフワフワになってとてもおいしいですね。

 

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鯛のアラを焼いて鯛めしにしました。

底をすこし焦がしてしまいましたが許容範囲とさせてください。個人的にとても好きな鯛料理で、おいしかったです。適当な出汁をかけて流し込んだらさぞおいしいことでしょう。作り途中のアラ汁を強奪してそれをやらなかったのは、ひとえに理性です。

 

撮り忘れましたが、アラ汁も良かったです。

内臓も適当にゆがいて汁に入れたらおいしいことが判明し、アジの白子や肝臓、タイの胃袋を入れてみました。いずれも味噌汁と相性がよく、特にアジの白子はまったりした食感で印象深かったです。もしかしてすべての魚の白子はおいしいのではないか?

 

今回の『寿司以外の部』はここまでです。

われわれはKUODCなので、ここからは寿司をやります。

 

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白魚です。

よくわからないままポン酢で和え、なんかいいかんじに薬味を載せました。

かなりいい店の突き出しみたいな感じの味でした。おいしい。内臓とかを丸ごと食べたからでしょうが、どことなくほろ苦いです。生でバリボリ食べたのに骨の食感がほとんど気にならず、生物としてすこし心配になりました。こんな強度で大丈夫なのか?

 

せっかく生食できるやつなら、と全て生のまま食べたんですが、加熱したものも食べてみたくなりました。茹でたりとか。かなり贅沢ですが、かき揚げなんかにしても美味しい気がします。

 

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鯛です。

かなりお安い鯛だった代償か、脂のノリとかは今一つでしたが、鯛欲を満たすには十分です。生と湯霜をそれぞれ用意しました。

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これは思いつきで発明された皮寿司です。取り除いた皮を湯引きし、酢飯を巻きました。

見た目はマヌケですが味はバカにできない仕上がりで、コリコリした食感と皮目の脂が相まっておいしかったです。鯛は全身おいしくてすごいですね。

 

サワラも寿司にします。

身が脆いうえに皮が薄いので皮を引くのは諦めました。かわりに炙り、いいかんじに食べられる柔らかさにします。

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こういうことですね。

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握りました。

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オスシ・ファクトリー

 

今回作ったものの中だとベストの人気だったと思います。脆い身も寿司にしてしまえばホロホロの柔らかい食感に化けます。そこに旬ブーストの脂と炙りの香りが乗って天下無双になります。わかりますか。ぜひまた食べたいです。

 

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あと、理性で鹿肉を取っておいてたんでした。

こちらも寿司にしました。総会初の肉寿司ですね。

 

元がおいしいので当然こちらも良いです。酢飯との釣り合いを考えると、単品で食べるときよりさらに薄く切ったほうがよさそうでした。低温調理は仕込みも簡単なのでまた何か作ってみたいです。あと生肉。馬肉を安く買える手段をずっと探しています。

 

今回作った料理は以上です。

 

2月・3月と立て続けに市場に行くこと自体をテーマとして、ハッキリとした企画は用意しませんでした。2021年度の活動では当然のように市場まで買い付けに行き、そのうえで何か特別な企画ができたらいいなと思っています。それが新世界秩序ということですね。

 

また、今回の総会には2020年度に京大を卒業する会員も参加してくれました。

聞いたところによると就職のためアイルランドに移住するらしいです。

感謝の意を表して、今後1年間KUODCではフィッシュアンドチップスを寿司だと思うことにしようと思います。イギリスのイメージでしたが、代表的なアイルランド料理でもあるらしいです。

会員各位:

2021年度の間、フィッシュアンドチップスを食べた場合『例会』としてKUODCの活動になります。よろしくお願いします。

これを書いた時点で2021年度になってしまいましたが、今年度も元気に活動していこうと思います。よろしくお願いします。