2021年度のKUODCまとめ
こんにちは。
京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。
総会をするたび、こうして記事にしていたはずですがサボっていたため1年分溜まってしまいました。駆け足で振り返りまくっていきたいと思います。
総会:
集まって寿司を食べる。
楽しい。
4月総会:タコパ
年度初めの4月、KUODCにも新入生が入ってくれました。
「なんか紅白のめでたいものを食べるべきでは」という問題意識のもと、タコを食べることにしました。
タコ。
京都中央卸売市場で買いました。めちゃくちゃ生きており、重さ測定用の網に詰めようとしてもヌルヌル脱走するためお店の人が苦労していたのを覚えています。
眼や内臓を取り、ひたすら塩でもみます。身を裏返すと全臓(ぜんぞう)がまとまっていて、刃物を使わずベリベリ外すことができました。眼も。こんな簡単なつくりでいいのか不安になります。
塩で揉むのは身を柔らかくするためでもありますが、最大のめあては全身を包む粘液(ムチン)を落とすことです。
塩を加えることでムチンが凝集し、はがれやすくなる訳ですね。このときの塩析パワーはイオン価数の2乗に比例するので、たとえばマグネシウム(Mg2+)はナトリウム(Na+)の4倍強くムチンを引き剝がします。
にがり(MgCl2)を使うと食塩より速くネバネバが取れるはずです。味はひどいことになると思いますが、タコのRTA走者は試してみてください。
今回は折衷案として粗塩(Na+以外に多価陽イオンもそこそこ入っている)を使いました。まじめに計算しましたが、精製塩より1%だけ塩析パワーが高いようです。
ゆだった。一瞬で色が変わるのが面白かったです。
いろいろ作りました。
タコめし
からあげ
寿司
アヒージョ
なんかタパスっぽいやつ
今回の学びとして「タコは歩留まりが異常に良い」というのがあります。普通の魚だと純粋な可食部は半分くらいなので、デカすぎる魚買っちゃった……となっても案外なんとかなるんですが、タコは無理でした。ちいちゃい内臓を取ったらあとは全部食べられてしまう。ゆでてもまるで縮まない。3キロサイズを6人で食べようとしたところ、かなり無理でした。
あと塩もみのとき塩を(いくらなんでも)入れすぎた記憶があります。身に塩が残ってしまっていた。茹で加減も判断が難しく、芯まで熱が通っているのと茹ですぎのラインを判別する方法を知りたくなりました。ハンバーグに竹串を刺す的な。
タコを捌いて食べる行動は非日常そのものなのでかなり楽しいです。おすすめ。
たこ焼きは作りませんでした。
5月総会:山不如帰
「目には青葉山ほととぎす初鰹」です。
青葉と初鰹はスーパーで買えますが、山ほととぎすは入手困難だったため、企画名に据えることで山口素堂を完成させました。初鰹をたたきます。我々は鴨川でカツオをたたくメソッドを確立しているため朝飯前です。
鴨川に移動し、たたきアックスで藁焼きにしている様子です。
藁をベランダで半年野ざらしにしたせいかもしれませんが、なんとなく火勢が弱く、煙がモコモコ出ている感じがしました。湿気っていたのかもしれません。みなさんが5月にカツオをたたくときには、ちゃんと干した藁を使ってくださいね。
おととしの9月に受け取り、このとき使った藁が今もベランダにあります。助けてください。
そういうのと関係なく、無事たたくことができました。
生身の寿司。
頭を煮たやつ。
これは『ガワ』です。刺身の切れ端を入れた冷や汁。
御前崎あたりの漁師料理らしいです。船上で火を使わず作れる汁物。
味噌に加えて梅も使って味付けするのが特徴で、肉体労働の休憩に飲むのはたしかに最高って感じでした。直射日光下でのカツオたたき作業を終えた直後に飲み、そのときの第一印象は「ポカリ」でした。魚属性のポカリ。これは褒めています。
ウホホウホの夕食の反省:KUODCの総会で本鰹を食べた。
— ウホホウホ (@Goreamlive) May 29, 2021
高野川で藁を燃やしてたたきを作ったところ、うまくいった節では藁ならではの薫香がついて、市販品やアルバイト先で食べるものとは一味違う味わいとなった。
脂の少ない初鰹らしい味を堪能できたと思う。 pic.twitter.com/Zmo7g3jfBV
最後に、川の中でたたきアックスを構える会員の勇姿を見てください。
まぶしい笑顔までは載せられないのが残念ですね。今年度一いい写真でした。
6月総会
入梅イワシを食べてみたかったんですが、予定していた仕入れ先が不漁のため不発。ふつうにスーパーで魚を買いました。
でっけ~し安いハマチ。
寿司にしました。
あとユッケにしたやつと、甘辛ごま醬油で和えたやつ。
つまみとしてはかなり最高なんですが魚の味は壊滅します。
今回に限っては、ハマチが巨大なうえ淡泊だったので、こういうパワーアーマーを着せてもよかったのかなと思いました。
梅雨においしくなる魚の最大手、イサキです。イサキは取れたの?
皮を炙って寿司にするのがとても好きです。皮ごと食べるので皮下脂肪を余さず食べられるのと、わずかな磯臭さがちょうど酢飯で相殺されるので猛烈な相性の良さを感じます。
前回味を占めたので、また冷や汁を作りました。
今度は宮崎あたりの郷土料理としてのやつです。出汁を取ったあと冷ますのが面倒だなあと思っていましたが、この時には水道水に出汁の素を溶かして作っていました。それでも普通においしい。こう作ると火を使わず作れるようになるので、手軽さでは普通の味噌汁を上回ります。
濃いめに作ってご飯にかけて食べました。おいしかった。
ウホホウホの夕食の反省:KUODCの総会でハマチとイサキを食べた。
— ウホホウホ (@Goreamlive) June 19, 2021
ハマチは脂が控えめで、まだ弾力があって味がさほど濃くなく、寿司との相性は微妙だったが、植物油やら醤油やらで食べる薄造りの刺身はかなりよかった。
イサキの炙りは養殖真鯛に負けないおいしさ、うまみがあって感銘を受けた。 pic.twitter.com/QGoa7y3f4g
9月:(マンタ編に旨)
なんか夏が終わりましたね。これは院試のせいです。
鷂(はいたか)に海・魚と添えて海鷂魚(まんた)らしいです。コスパが悪すぎる漢字表記。それの寿司を作る日でした。
マンタはサカマという通販サイトで買ったものです。
でかい
翼のさきっぽ部分のようでした。断面をよく見ると分かるように、中央に背骨めいた構造があり、その少し外側に勾玉型の褐色部分があります。はじめは血合いかと思いましたが、そこまで味が強くないので違ったみたいです。
切り開いた様子です。
会員総出での観察の結果、背側・腹側で色調と風味が違うことがわかりました。
これに合わせて調理していきます。
寿司。身がたいへんやわらかく、崩れました。会員の誰かが「流星街」と形容していた。流石に言い過ぎかと思います。我々から何も奪うな。
切り身にすると縞々模様が見えやすく、映えますね。
味は……薄いマグロ?って感じでした。赤身系統の味なのは見た目通り。
あとほんのり塩辛いです。マンタを含む軟骨魚は体液に塩化アンモニウムを多く含むと聞いたことがあるので、その味かもしれません。
軟骨魚に刃を入れるのは普通の魚(硬骨魚)を捌くとのはまた違った感触があり、プツプツ軟骨が断たれていく感触が面白かったです。
から揚げ。
こちらはスジが加熱で消滅し、層状に完全分離した身の食感が面白かったです。
ついでにシイラの卵も買えたので、食べました。
かなりクイーンチャッピーに似ていますね。リンク先、ちょっぴりグロいので注意してください。
中の卵部分のみを取り、イクラと同様に醬油ダレに漬けてみました。
ザルだと捉えられないくらい1粒が小さいですが、裏ごし器ならギリギリなんとかなりました。
味は「無」でした。血を洗い落としすぎた……?
そのままでは無だったため、協議の結果クリームパスタになりました。奥に写っているやつですね。濃い味をつけ、火を通すとなんとか魚卵っぽい脂感が出始めました。カルボナーラに魚属性を付与した感じ。手前に写っているのはマンタのユッケです。身の味に飽きられた魚はユッケへと送られる。
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【2022年度最新版】KUODCって何?活動内容や人数は?新歓をしているって本当?
こんにちは♪
みなさんは京都大学おすしだいすきクラブというサークルをご存知でしょうか?
SNSで見かける機会も多く、いま話題沸騰中の団体です。
そんな京都大学おすしだいすきクラブについて、詳しく調べてみました!
ぜひ最後まで読んでください♪
1. 京都大学おすしだいすきクラブって何者?
京都大学おすしだいすきクラブ(KUODC)は2019年12月くらいに発足した非公認サークルです。
現在30人程度の会員が所属しており、日夜活発に寿司を食べています。
楽しそうですね!
2. 活動内容は?
KUODCの活動は大きく分けて2つあります。
会員が何らかの形で寿司を食べることを『例会』と呼びます。
回る、回らない、パック、自作など寿司の内容に制限はありません。
例会の開催情報は直ちにクラブ内で共有され、SNSに投稿されます。
きょうの例会です③ pic.twitter.com/jkJZea36ed— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2021年2月20日
いつでも気軽に開催でき、KUODCの根幹とも言える活動です。寿司に関する重大な知見が共有されることも多く、クラブの寿司EXP増進に大きな役割を果たしています。
もう1つの主な活動として『総会』があります。
有志会員が集合し、その回のテーマに沿った寿司を握って食べます。大型魚や手のかかる料理に挑戦することが多く、個人では難しいような食体験が可能です。
これまでに開催された総会の様子はKUODCのブログで報告されているようなので、興味があったら読んでみてくださいね♪
また、KUODCは過去数回工作系の活動を行っています。
去年度はロゴ入りキャップ、立て看板、ウナギ捕獲装置、カツオ炙りアックスなどを制作し、日々の活動に役立ててきました。寿司以外を作ることもあるようですね。
とどいた
めちゃくちゃ良い pic.twitter.com/aZlb4Jq13I— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2020年5月8日
キョート・ユニバーシティ・オスシ・ダイスキ・クラブ pic.twitter.com/7yrxeLhErw— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2020年6月7日
今日は鴨川でウナギ用の罠を作りました pic.twitter.com/tJAGdU9VZF— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2020年5月30日
集まって行う活動自体は低頻度(月1程度)なので、兼サー先を探している人や、もともとサークルに入る気の無かった人にオススメらしいです♪
3. 会費は高い?
入会費や会費など、所属しているだけで発生する費用はありません。
総会に参加すると材料費がかかりますが、せいぜい1000円程度とのことです。
善良ですね。
4. 新歓はやっている?
最新情報によると、KUODCは現在、新規入会者を募集してるっちゃあ、してるようです。人数は2~3名を目安としています。これは、既に総会の開催頻度に対して多すぎる人数が所属しているためです。いわゆる新歓イベント、新入生勧誘を主目的としたイベントの開催予定はありません。
学年の制限はありませんが、今年度の新規入会は京大生のみと定めているようです。おこがましいとは思わんかね。しかしこれは、無秩序に人数が増えまくることを防ぐために必要なことみたいですね。
一方で、総会の主催や会場(自宅)提供は現在、代表1人に一任されています。
高齢化が著しく、このままでは2年で滅びるので、KUODCの運営に興味がある下回生を強く募集しています。実態がわからない団体の運営をしたい人はいないので、とりあえず所属してみるといいかもしれません。
運営意志の有無に関係なく、入会希望者はTwitterのDMから連絡をお願いします。
いかがだったでしょうか?
新しいことが分かり次第更新していきます。
これからもKUODCの活動から目が離せませんね。
活動報告『鹿握ニューワールドオーダー』
こんにちは。京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。
2月に引き続き、今回の総会でも京都中央卸売市場に行ってきました。タイトルの読みは『鹿握(ししあく)』です。よろしくお願いします。
総会:
集まって寿司を食べる。
楽しい。
今回も6:45集合の殺人日程でしたが、研ぎ澄まされた参加者が無事集まりました。
市場に着きました。この時間でも終盤ムードが漂ってますが、これ以上集合を早めると人死にが出るリスクが高いです。
今回もいろいろを買いました。
まずタイ。季節!という感じですね。
市場中を見て回った限り値段はピンキリで、上等そうなやつは3600円/キロとかしました。今回われわれが買ったやつは1200円/キロなのでキリの側です。
次いでシラウオです。
生でいけるやつだという文句を信じて買いました。
さらにサワラの半身です。
中骨付きなのでお得感があります。
以上3点を買いました。写真がもれなく薄暗いですね。
どんどん料理をしていきます。
全員がめちゃくちゃ調理に参加してくれたので捗りました。ありがとうございます。かわりに調理過程の写真はありません。
できた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
????
身に覚えのない食材がいくつかありますね、何事でしょうか?
まずこれは、マグロの目玉です。
これはマグロのアラを(個人的に)買った会員から提供してもらったものです。うれしいですね。
甘っ辛く煮つけるのが王道らしいです。
小鍋で煮えていく様子を見ていたんですが、謎のドゥルドゥルが流出してきて煮汁がトゥルトゥルになる、煮てるうちに分解されシャバシャバになる、煮解けてバラバラになる、とダイナミックな生涯でした。九相図。
初めて食べましたが、なるほど珍味という感じの味でした。ゼラチンと脂の暴力!身らしい身はほとんど無い代わりにプヨプヨした脂身が全体にくっついており、甘い味と合わさってとてもいい感じです。溶け出したゼラチン質と合わさって口がペタンペタンになる。
また、核(コア)みたいな部分も食べました。
煮魚の目玉の中心にある球状のやつです。犬夜叉でいう黒真珠。
これまで食べた多くの魚のコアは消しゴムみたいな食感で正直いまいちだったんですが、マグロは別でした。しっかりと繊維感と弾力があり、滲み出てくる味がおいしかったです。
念のためお椀状の骨も食べてみました。元々薄いうえ、やわらかく煮込まれていたので十分噛める状態でしたが、薄さが災いしてボール紙を食べてるみたいな気分になります。カルシウム不足の人は食べるといいでしょう。
あともう1つはこれです。鹿。
鹿??
参加者の中に狩人が1人いて、提供してくれました。うれしいですね。
いいかんじに低温調理に供したものが写真です。野生動物であるため十分に加熱しないと非常に危険なんですが、温度とか時間の設定は「勘」でいきました。真似しないでください。
さらにフライパンで焦げ目をつけ、切りました。おいしそ〜〜
実際おいしかったです。牛よりさらにあっさりした赤身肉で、スジもない上等な身だったので永遠に食べていられます。魚料理の中に平然と溶け込める肉と言えると特異性が伝わるでしょうか。もう一度言いますが、おいしかったです。
サワラの半分をアクアパッツァにしました。
こちらの調理は参加者に一任したんですが、オリーブオイルを容赦しないことがコツらしいです。たしかに乳化した煮汁がソースとして大変いいかんじになっており、間違いのない知見だなあと思いました。加熱されたサワラは身がフワフワになってとてもおいしいですね。
鯛のアラを焼いて鯛めしにしました。
底をすこし焦がしてしまいましたが許容範囲とさせてください。個人的にとても好きな鯛料理で、おいしかったです。適当な出汁をかけて流し込んだらさぞおいしいことでしょう。作り途中のアラ汁を強奪してそれをやらなかったのは、ひとえに理性です。
撮り忘れましたが、アラ汁も良かったです。
内臓も適当にゆがいて汁に入れたらおいしいことが判明し、アジの白子や肝臓、タイの胃袋を入れてみました。いずれも味噌汁と相性がよく、特にアジの白子はまったりした食感で印象深かったです。もしかしてすべての魚の白子はおいしいのではないか?
今回の『寿司以外の部』はここまでです。
われわれはKUODCなので、ここからは寿司をやります。
白魚です。
よくわからないままポン酢で和え、なんかいいかんじに薬味を載せました。
かなりいい店の突き出しみたいな感じの味でした。おいしい。内臓とかを丸ごと食べたからでしょうが、どことなくほろ苦いです。生でバリボリ食べたのに骨の食感がほとんど気にならず、生物としてすこし心配になりました。こんな強度で大丈夫なのか?
せっかく生食できるやつなら、と全て生のまま食べたんですが、加熱したものも食べてみたくなりました。茹でたりとか。かなり贅沢ですが、かき揚げなんかにしても美味しい気がします。
鯛です。
かなりお安い鯛だった代償か、脂のノリとかは今一つでしたが、鯛欲を満たすには十分です。生と湯霜をそれぞれ用意しました。
これは思いつきで発明された皮寿司です。取り除いた皮を湯引きし、酢飯を巻きました。
見た目はマヌケですが味はバカにできない仕上がりで、コリコリした食感と皮目の脂が相まっておいしかったです。鯛は全身おいしくてすごいですね。
サワラも寿司にします。
身が脆いうえに皮が薄いので皮を引くのは諦めました。かわりに炙り、いいかんじに食べられる柔らかさにします。
こういうことですね。
握りました。
オスシ・ファクトリー
今回作ったものの中だとベストの人気だったと思います。脆い身も寿司にしてしまえばホロホロの柔らかい食感に化けます。そこに旬ブーストの脂と炙りの香りが乗って天下無双になります。わかりますか。ぜひまた食べたいです。
あと、理性で鹿肉を取っておいてたんでした。
こちらも寿司にしました。総会初の肉寿司ですね。
元がおいしいので当然こちらも良いです。酢飯との釣り合いを考えると、単品で食べるときよりさらに薄く切ったほうがよさそうでした。低温調理は仕込みも簡単なのでまた何か作ってみたいです。あと生肉。馬肉を安く買える手段をずっと探しています。
今回作った料理は以上です。
2月・3月と立て続けに市場に行くこと自体をテーマとして、ハッキリとした企画は用意しませんでした。2021年度の活動では当然のように市場まで買い付けに行き、そのうえで何か特別な企画ができたらいいなと思っています。それが新世界秩序ということですね。
また、今回の総会には2020年度に京大を卒業する会員も参加してくれました。
聞いたところによると就職のためアイルランドに移住するらしいです。
感謝の意を表して、今後1年間KUODCではフィッシュアンドチップスを寿司だと思うことにしようと思います。イギリスのイメージでしたが、代表的なアイルランド料理でもあるらしいです。
会員各位:
2021年度の間、フィッシュアンドチップスを食べた場合『例会』としてKUODCの活動になります。よろしくお願いします。
これを書いた時点で2021年度になってしまいましたが、今年度も元気に活動していこうと思います。よろしくお願いします。
活動報告『突発:京都中央卸売市場に行こう』
こんにちは。
京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。
吉田キャンパスのある百万遍から南に5キロ、七条のあたりには市場があります。
京都中央卸売市場といいます。普段、総会用に魚を買うにはだいたいスーパー、たまに通販という感じですが、プロが使う店まで足を伸ばせばもっとレアなものが手に入るんじゃないでしょうか。
そんなわけで人を集めました。
前々日に募集&朝7時集合というハードスケジュールでしたが、無事4人の命知らずが集まりました。がんばれば自転車で行ける距離ですが、魚を無事なまま運ぶのが難しいので車を借ります。
着きました。8時少し前です。
かなり早起きしたつもりでしたが、ぼちぼち店仕舞いも始まっているような感じでした。市場的にはもう遅い時間なんでしょう。
市場周辺はターレ(画像左下)が縦横無尽に走っており、さらに路上の荷物も多いので運転がめちゃくちゃに怖いです。不死身のアンダイン戦です。七条新千本から北上することで直接駐車場にアクセスできるはずなので、必ずそうしてください。さもなくば死です。
1時間くらいで買い物を終え、無事に帰ることができました。
昼食に間に合うようにかなりテキパキやっていく必要があります。同行者たちには寝ていてもらいました。
ハギです。ウマヅラハギで合っているでしょうか。売っているときは「カワハギ」と呼ばれていたので、あんまり区別してないのかもしれません。活きている状態だったのを目の前で締めてもらい、テンションが上がりました。プロの技はいいものですね。
ハギ類ははじめて捌いたんですが、本当に皮がベリベリと剥げたのが面白かったです。魚を捌くうえで一番むずかしい行程は皮引きだと思っているので、大変ありがたい魚です。ただし、普段扱う魚とは若干違った手順で捌く必要があったのでトータルでは苦戦しました。かなり巨大な肝がボロンと入っていたので当然食べます。
ヒラメのアラ煮です。
寝てる人間か、手が魚まみれの人間しかおらず、調理過程がぜんぜん撮れていません。許してください。ヒラメの頭・卵・謎臓・肝が入って500円のパックがあったので買いました。肝以外を煮たのがこの料理です。
とりわけ卵がおいしかったです。ヒラメの卵は初めて食べたんですが、たらこよりさらに細かい粒にほどよい脂感があり、甘辛い煮汁とよく合います。ほぐして白米にのせ、煮汁をかけるとかなり最高の食べ物になります。この卵のために煮汁が一瞬で無くなりました。
また、パックに入っていた謎の内臓も一緒に煮ました。頭の直後についていたこと、内部にひだひだ構造があったことから胃袋ではないかと思います。塩で揉んでヌルヌルを落としてから煮汁に投入しました。豚などの胃に比べるとかなり柔らかく、かつ脂身らしきプルプルもあり、肉で言うなら言うならシマチョウに近いです。臭みなどは一切なかったので、ひょっとするとかなり良いヒラメのアラだったのかもしれません。
肝はそのまま刺身にしました。
湯通ししてから血管を破き、氷水に数分浸してブツ切りにしたものです。
「ぺやん」という感じの味でした。
下処理が過剰だったのかもしれませんが、香りや味がほとんどなく、脂と舌触りだけを楽しむ感じのものです。
レバ刺しの要領で塩ごま油を用意したんですが、旨味を補えるようなものの方が向いていそうでした。色々つけて試した限り、ポン酢がかなり良かったです。そもそも火を通して濃いめのタレとかで味付けするのが良い気もします。生のフワフワした食感も悪くはないですが、せっかく脂が乗っているので加熱してねっとり方向に進めたほうが向いてるかもと思いました。
マグロのカマです。
宮城のホンマグロらしく、サイズもかなり大きいです。かなり良いやつかもしれません。
ごく一部は身をすきとって生で食べてみましたが、筋が多い上やや生臭いので加熱したほうがよさそうでした。強めの塩とコショウ、にんにくを乗せてオーブンで焼きました。
光の問題で消し炭に見えますが、ちゃんと食べられる状態に焼けています。赤身なのも手伝ってか、味はほとんど肉でした。可食部を発掘する宝探し感と合わせて、かなりハレの日の料理です。食卓に上がった際のウヒャ~~が強く、ごちそう力があります。
いわゆるカマトロなんかが取れる部位であるんですが、たいして冷やさず売ってたために生食しがたい状態だったのではと考えています。
食べてみてわかったんですが、巨大な骨が入り組んでいて、まとまった身を切り出すのはかなり面倒です。それでいくらか雑に扱われてたのかもしれません。絶対買いに行くからキンキンに冷やしたやつ置いといて!と頼めばいいのかもしれません。それには事前に親愛度を上げる必要がありますね。
最初に捌いたハギは寿司にしました。これも撮り忘れていますが、肝は裏ごしにして、醤油とあわせペースト状にしました。
新鮮だからか、食感はいいものの身の味は無個性でした。しかし肝ペーストがあると話は別です。まったりした食感とパンチの効いた香りが合わさって完全寿司が誕生します。肝まで食べられるハギが手に入ったらぜひまたやりたいです。また、撮り忘れましたがハギのアラ汁もこしらえました。
最後に、ウニも買いました。おまたせしましたすごいやつ。
「いいのか!?」と買うべきかかなり迷ったんですが、ちょうど予算内のウニが見つかり買ってしまいました。「1カンあたりのウニをケチるより最強の1カンを作るべきでは」という提案を受け、最強を志すことにします。
そんなわけで誕生した、最強です。いつぶりなのかわからないくらい久々にウニを食べましたが、非常においしかったです。潮(うしお)!!!となる味。
品数・ボリュームともにかなり満足感がありましたが、交通費込みでも1人1000円ちょっとで済みました。世相の都合でいい魚が値崩れしている影響は大きいと思いますが、スーパーの魚売り場とは質・量共に段違いなのでまた行きたいです。行きましょう。
ただし早起きだけは覚悟しておいてください。
ウニが入ってた箱に妙な愛着が湧いたので、寿司下駄としてセカンドライフを送ってもらうことにしました。
きょうの例会です pic.twitter.com/P9BF92e76A
— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2021年2月19日
見抜かれました。
それではまた次回。
活動報告『鰤走』
こんにちは。
京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。
先日の総会は12月開催だったのですが、うかうかしていたら2月になってしまいました。ぜひ2020年の気持ちで読んでください。
総会:
集まって寿司を食べる。
楽しい。
今回はこれです。
こういう仕組みです。以前の企画もそうでしたが、デカい魚をまるごと食べることは一種の「走」だと考えています。
ブリが届きました。
高知かわうそ市場というサイトで取り寄せたものです。サイズはバンギラスの5倍ありました。
これだけ大きい魚を扱うのは初めての経験なので、かなり苦戦しました。
特に皮引き。
3枚おろしの状態だと身が重すぎてうまく扱えず、背側・腹側に分けてから再チャレンジしたんですが、そもそも皮が薄くて脆い!別途チャレンジしてもらったウホホウホも苦戦していました。これをスパァンと剥けるのはかなりの手練れだと思います。
苦闘ぶりを感じてください。
ただ、この時点で脂のノリがゴキゲンであることがわかっており、半ば勝利を確信した気持ちでした。
えっちらおっちらと解体を済ませ、料理に着手。せっかく1匹あるのでブリ料理をいろいろやることにしました。
まず『カマの塩焼き』です。
カマとは首下にある脂がメチャメチャに乗った部位です。箸でつかんだら自壊していくほど脂と汁気が多く、もうかなりおいしい!
単体でもメインを張れるくらいの品でしたが、まだまだブリはあります。かなりの多幸感です。ゆえ、心を鬼にして次の料理の準備をしました。
『ブリしゃぶ』です。
本当に見たままの料理で、薄切りのブリを昆布出汁でシャブにして食べます。これがもうおいしいのよ!
元より生で食べる予定のブリなので、火の通りを気にする必要がありません。中がわずかに冷たいくらいのシャブ加減で食べると生と加熱のいいところが時間差で襲ってきてかなり最高でした。脂が!身の味が!
ここで突然、甘エビが出てきました。
用意していないんですが。なぜ?会員宅にあったものを持参してくれたらしいです。ありがたいことですね。
せっかくなのでこれもシャブにしました。うまい!
あと抱卵していたので、せっかくなので取っておきました。きれいな青。甘エビの卵はかなり異常な色をしていて面白いですね。
ごはんが炊けたので、満を辞して寿司をやります。
できました。
波瀾万丈なく寿司を握れるようになってきており、クラブ全体の握力向上を感じます。元のブリがおいしいので、当然この寿司もおいしかったです。
さて、寿司の上になんか色々が載っていますね。これは、いくらブリが美味かろうと単体では飽きるだろうという危惧のもと開催されました。つまり
『薬味王』です。参加者各位が薬味を持ち寄り、最強を決めます。
全選手入場!をやりたかったんですが、全員が揃っている写真を撮り忘れました。すみません。
先ほどの写真は右から辛味大根、わさび、ゆず皮、みょうが、ブロッコリースプラウト、添え物のすだちです。
他にも山椒、ラー油、一味などのエントリーがあったかと思います。
なお、今回のワサビはちゃんとすりおろしたものです。
併せて紅葉おろしも作りました。既製品を見たことしかなかったんですが、ふやかした唐辛子を大根に突き刺してからおろすらしいです。
つまり、こういうことです。すこしオチョナンさんに似ていますね。リンク先やや怖いので注意してください。
対ブリの薬味に求められるのは、やはり脂を受け止める度量でしょう。なのでさっぱり系、酸味系は押し並べて強かった印象です。
特にすだちは参加者8人中3人から最高評価を受けており、今大会の優勝者となりました。おめでとうございます。
また、辛味大根が同率1位でした。ふつうの大根より小ぶりで水分が少なく、辛味成分が多い大根です。これも強い脂と張り合えるインパクトが評価された形でしょう。
結果はわりと妥当なところに落ち着きましたが、ここから考えられることもあります。たとえばマスタードは辛味大根と似た辛味成分を持っていて、かつ酢漬けなので酸味もあります。香りの相性が未知ですが、味だけ考えたら相性がいいのではないでしょうか?
また、今回はブリについてでしたが、バトルフィールド(魚種)が変われば結果も大きく変わるはずです。カツオあたり面白いかもしれません。
甘エビも寿司にしました。
身の部分は食べ尽くしましたが、まだアラが残っています。
ので煮ました。『ブリ大根』です。
かなり巨大である頭をどう御すか悩んだんですが、うまく兜割りにしてくれました。ありがたいですね。それを大根と煮て完成です。
骨や皮から大量に溶け出したゼラチン質がもう最高においしく、煮汁まで含めて一瞬で食べ切りました。アラはいいものですね。
前回の出汁割りで味を占めた勢力が煮汁割りをしていました。これもけっこうおいしかったです。ゆずの皮を浮かせるといい感じに合いました。
今回は「うまい」しか書いていない気がします。巨大な魚を仕入れると美味しいし楽しいということが分かったので、また季節に合わせて何か仕入れたいと思います。次またブリを料理する機会があれば胃や心臓まで含めて食べたいですね。
最後になぜかケーキが出てきたことで、かなり最高の状態で終えることができました。ありがとうございます。
それではまた次回。
活動報告『本気関東炊』
こんにちは。
京都大学おすしだいすきクラブの活動報告です。
今回はこれです。
ほん-き【本気】
[名・形動]① まじめな気持ち。真剣な気持ち。また、そのさま。「本気を出す」「本気で取り組む」
② めんこなどの子供の遊びで、勝てば相手の出したものを取れるというルール。ほんこ。
かんと-だき 【関東炊】
① さつまあげ・はんぺん・焼きちくわ・つみれ・蒟蒻(こんにゃく)・大根などを、汁をたっぷり使って煮込んだ料理。おでん。《季 冬》「硝子戸に―の湯気の消えてゆく/虚子」
② 田楽豆腐。また、木の芽田楽。
③ 蒟蒻(こんにゃく)を串(くし)に刺し、練り味噌を付けた食品。
つまり、全力でおでんを作る総会です。練り物の自作からやります。
読みは「ほんきかんとだき」で十分いい語感ですが「まじかんと」とします。
※総会:
集まって寿司を食べること。
楽しい。
今回も寿司は作る。
練り物の主材料はタラです。
調べたところ、魚でさえあればわりとなんでも大丈夫みたいですが、季節感を優先させました。魚へんに雪だし。
だいたいの練り物は以下の3ステップで作ります。はんぺんはちょっと例外です。
① 魚をすり身にする
② 塩を加える
③ 加熱する
③で揚げたらさつま揚げに、焼いたらちくわに、蒸したらかまぼこになるイメージです。こうして見ると簡単そうですね。やっていきます。
残念ながら丸ごとのタラは入手できなかったので、切り身スタートです。皮を引き、可能な限り骨も除きます。
塊のままだと扱いづらいので、まず包丁で粗挽きにしました。
トントントンという作業音が階下に響いてしまうので、集合住宅の人はクッションを敷く、まな板を手に持つなど工夫をしてください。
粗く砕いた身はすり鉢に移します。温度が上がりすぎるのが良くないと聞き、あらかじめすり鉢を冷凍庫で冷やしておきましたが、意味があったかは分かりません。
すり身にしていきます。
しれっと書きましたが大変な作業で、30分以上やっていたかと思います。フードプロセッサーとかミキサーがあるならそっちを使いましょう。
ただ、骨や皮を徹底的に除ける点ではこっちのほうが良いかもと思いました。
すり身にはできたんですが、腹膜やスジが目立っていたので、裏ごしすることにしました。
最初は目の細かい濾し器でやろうとしましたが、全く作業が進まなかったので大きなザルに変えました。それでもかなり大変です。
試行錯誤を含めると30分以上かかり、自分は2日後まで筋肉痛が残りました。
濾し終わったものがこれです。
少し前の画像と比べると滑らかになってるのが伝わるでしょうか。努力のたまものです。
ここまででだいぶすごい時間がかかりましたが、まだ最初の① すり身にするが終わっただけです。どういうことでしょうか?
2%重の塩を加え、再度すります。
この行程によって練り物の弾力が生まれます。
少し早口になりますね。青字のところはすべて読み飛ばして大丈夫です。
この加塩には、魚肉の筋タンパク質(アクチンやミオシン)を溶解させる作用があると言われています。
ほそなが〜い繊維状であるアクチンやミオシンを水に溶かした状態でかき混ぜると、互いにもつれ合い、網目状の構造をとります。この網目が練り物のプリプリした食感を作っているらしいです。
ハンバーグに塩を入れると粘り気が出るとか、あらかじめ振り塩をすると焼き魚の身が崩れにくいとかも同様のしくみなのかもしれません。
オリバが肌に粗塩を擦り込んでるのも同じ原理かと思ったんですが、どうでしょうか?
一般に、0.9%重くらいの塩が入ってれば十分な塩味を感じられるらしいです。すると今回の2%重という塩はハチャメチャに多い気がしますね。実際塩辛く、味付けだけ考えるなら多すぎるんですが、タンパク質を溶かし出すためにやむを得ず加えているという認識です。
上の文献のグラフから、塩分濃度が1〜3%の範囲で特に急激にタンパク質の溶出量が増えていることがわかります。流石にこの差は大きいなあと思い、今回加える塩の量は2%としました。
実際に売られている製品では、より溶出作用の強い(らしい)リン酸塩を加える、別のしくみを利用して粘り気を出すなど色々工夫してほどよい塩味の練り物を作っているみたいです。科学はすごいですね。いわゆる塩溶性タンパク質がなぜ塩の存在下で溶けるのか、そういえば知らないので、詳しい方がいたら教えてください。
現実に戻りましょう。
塩を加え、さらに20分間練りました。
多くのレシピではこれよりもっと練っていますが、空腹に負けました。
しかしすり身の弾力は明らかに増しており、押し込んだときの抵抗や持ち上げる時の粘着力が格段に強くなってます。すごいですね。
成形し、火を通したら完成です。
まずちくわを作ります。
束ねた割り箸に身を巻きつけ、直火で炙っていきます。この作業はモンハン経験者にお願いしました。
端っこに焼き目をつけるとき、箸や手を水で冷やしておくのがコツらしいです。そうしないと燃えるとか。
上手に焼けました。
次にさつま揚げです。
小判型に成形したものを揚げます。
揚がったものがこれです。
なんか三角の何かが混じっていますが、これは厚揚げです。せっかくなので豆腐も揚げて作りました。
さらに、ごぼうをすり身で包んだものも作りました。ごぼう天ですね。マンガ肉の要領です。
揚がるとこうなります。
既にかなりおいしそうですが、理性を総動員してがまんしました。
まだ終わりません。はんぺんを作ります。
上で早口になった通り、塩を入れて練ると弾力が出てしまいます。
はんぺんにそれは不要なので、塩を入れる前のすり身を一部とっておきました。
メレンゲを準備します。
ただの卵白でも大丈夫らしいですが、少しでもフワっとしてくれることを期待しました。
同時に山芋・みりん・砂糖も加えています。ここらへんはふわふわ系の玉子焼きと同じ材料ですね。
いくらか空気を含ませたまま混ぜることができました。わざわざメレンゲをこしらえた甲斐があったんでしょうか。うれしいですね。全体が均一に混ざったら1%重の塩を加え、ほどよく混ぜてタネの完成です。
ここでの塩は味付けのためだけに入れているので、このくらいで大丈夫です。
クッキングシートで作った型にタネを流し込み、10分くらい茹でます。
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三角形に切るとだいぶ「らしく」なりました。うれしい。表面がごつごつしているのは手作りの愛嬌でしょう。ここまでくると作業はかなり大詰めで、ドロドロから突然はんぺんが顕現したので大はしゃぎしました。
あと、裏漉しのとき残ったスジは刻んだネギと共に焼きつくねにしました。これはアドリブです。
さて、練り物すべてを大根・たまごと共に出汁に投げ込み、あとは煮込むのみです。
5時間以上ぶっ通しで作業したためかなりヘロヘロでしたが、寿司をやります。われわれはKUODCです。
今回の寿司ネタの仕入れや下処理はウホホウホに一任しました。ありがとうございます。
※ウホホウホ:
2回生。頼れる男。クラブ内で随一の寿司握力を持つ。
カツオの握り、炙り、秋刀魚です。
カツオは皮を引こうとすると手も包丁もテロテロになるほど脂がのっており、おいしかったです。前回の反省を活かさず日曜日に開催したんですが、血合いの身をすぐ除く、塩で締めるなどの工夫を凝らしてくれていたおかげで十分に生食できる状態でした。ありがたいことですね。
秋刀魚は酢締めにしてくれています。皮目の銀がきれいですね。
人間の都合に合わせて日程が決まる都合上、最高鮮度を要する魚を総会で扱うのはなかなか難しいんですが、こうして遊撃してくれる仕入れ担当がいると魚のバリエーションが一気に豊富になり、良いです。いつかは堂々と生食できるサバを手に入れたいものです。KUODCはおさかな仕入れ先情報を常時求めています。よろしくお願いします。
さて、寿司を食べている間におでんがいい感じに煮えたかと思います。どう?
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立派なおでんができました。
具材単体の写真を取る間もなく食べ尽くされたので、詳細な画像はありません。
練り物から滲み出る塩分をぜんぜん考えておらず、やや塩味の立った仕上がりでしたが良しとしました。次に活きます。柚子胡椒と合わせると一層おいしかったです。
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鍋底に「謎」がありました。これは?
ウホホウホが持ってきてくれた、カツオのヘソ(心臓)でした。
曰く、東海地方ではおでんダネにするらしいです。ジャンケンに敗れたため味はわかりませんが、いわゆるモツ系のクセはなく、じんわりと弾力があっておいしかったらしいです。
さて、肝心の練り物たちですが、ちゃんと(?)練り物になっており感動しました。はんぺんとか噛み切るとちょっと口内でシュワシュワする感じがある。空気をたくさん含んでいるんでしょう。
強いて市販品との違いを挙げるなら、塩気の他に食感があったように思います。音でいうと「ギョムギョム」という感じでした。すり身の細かさ等によるところもあると思うんですが、もしかしたら揚げる時間や温度の影響かもしれないです。
例えるなら耳のところが分厚いパンという感じです。
市販のものはごく薄い層だけが揚がってカラっとしていますが、それより低温・長時間で揚げたことで、水分がよく飛んだ層が厚くなったのでは、と思いました。これはこれでおいしいので良いです。
— ちいかわ (@ngnchiikawa) 2020年11月4日
これがずっと気になっていたので、やりました。
「お出汁」を入れてるよッッしたものが画像です。自己完結した晩酌という感じで、つまみ味と酒が同時に口に飛び込んでくるのがおもしろく、かつおいしいです。やってみてください。
最大の反省として、出来立ての練り物がめちゃくちゃおいしそうというのがあります。
揚げたてで湯気の立っているさつま揚げを出汁に入れるのは、鋼の自制心が必要になります。もう一度耐えられる自身はないので、次回おでんを作るときには山盛りの練り物を仕込み、半分は単体で食べようと思います。
総じてたのしかったです。それではまた次回。
活動報告『カツオの叩き 農学部仕立て』
こんにちは。
今年度2回目の総会ではカツオを食べたので、その報告です。
※総会:
集まって寿司を食べること。
楽しい。
10月中旬に開催したので、いわゆる戻りガツオですね。
エサとなる小魚を追って南下してきたカツオのことで、秋の風物詩でもあります。5月ごろの初ガツオに比べて脂がのっているらしいです。たのしみですね。
旬のものなのでそのまま食べても当然おいしいと思うんですが、せっかくなので今回は叩くことにしました。カツオのたたき!経験はないので、とりあえず作り方をググりました。
これはネットに落ちてた叩きの様子なんですが、この時点で4つの壁があることが分かります。
① 火を焚ける場所
② 燃料となるワラ
③ 焚き火台
④ カツオを載せる道具
です.
まず①ですが、かなりでかい火を扱うため、室内でやるのはあまりに危険な気がします。
わが家の下宿のベランダは喫煙すら禁止されているので、たぶんカツオを叩くのもだめでしょう。他の住民に迷惑をかけるわけにはいきません。
そこで、鴨川に行くことにしました。
鴨川の河川敷は非常におおらかな場所で、盗みと殺し以外すべてやっていいらしいです。
事実、トランペット練習者、でかい旗を振っている何かのサークル、半裸で日焼けしているおじさんなど、各自が思い思いのふるまいをしていますね。
※念のため調べましたが、鴨川デルタ付近での焚き火行為は厳密に禁止されています。今回はその領域外で実行しました。
これで①は解決しました。
次は②の『燃料』です。
要するに強い火があればいいので、最悪ガスバーナーやコンロで炙ればいいんでしょうが、風情に欠けます。あと燻した香りや火力の面でワラがベストだと将太の寿司で読みました。
稲の収穫と同時期ですし、なんとかしてワラを入手できないでしょうか。
できました。
農学部・理学部のかたはよくご存知だと思いますが、京大の北部キャンパスには田んぼがあり、稲がもりもり育っています。調べたら農学部資源科の管轄らしく、問い合わせたところメチャクチャな量を分けていただきました。
サイズ比較できるものがないのでわかりにくいですが、10キロ以上はありました。
背負うと「おじいさんは山へ柴刈りに」みたいになります。
そしてメチャクチャにでかくボロボロこぼれ、自室に持って帰る段階で下宿のエントランスを、ベランダに運ぶ段階で自室一面をワラまみれにしました。
さっき「他の住民に迷惑をかけるわけには」ときれいごとを吐いたことですし、必死で掃除しました。たぶん誰にも見つからずに済んだので、完全犯罪です。平日の午前にやってよかったですね。解決。
どんどん行きましょう。
次は③の『焚き火台』です。
ワラはワラなのでとても軽く、風が吹けば飛んでいきます。
ワラに着火 → 風 → 対岸へ飛散 → 破滅
となるのは怖いので、何か台に入れて防止する必要があるなと思いました。
キャンプ用品コーナーで買えそうですが、お金はあまり無いので別の手段でなんとかしたいです。金属製で、ある程度の容積があればOKと考えると、何か見つかるんじゃないでしょうか。
そこで一斗缶に目をつけました。業務用油とかが入ってるやつです。
油をたくさん使う場所をあたればすぐ見つかるでしょう。
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そう考えて落ちてるのを半月くらい探しましたが、見つかりませんでした。
お店の人に聞けば出してもらえたかもしれませんが、それができるほど常連力のある飲食店が手近になく、挫折した格好です。
平日の日中は学生実験があるので、探索時間を増やすのも中々しんどいです。
そしたら実験室にありました。
さっき「油をたくさん使う場所」と書きましたが、農学部食品科実験室はまさにそれで、有機化学系のことをやるので有機溶媒をジャンジャン使います。学生実験室は毎日出入りしている馴染みの場所なので、頼んだらすぐ貰えました。灯台下暗しですね。
農学部に頼ればたいていのものが手に入る気がしてきました。
果物の香気成分である酢酸エチルが入ってたやつなので安全性もだいじょうぶでしょう。洗う前に嗅ぎましたが、すっかり揮発していて無臭でした。ちょっと残念です。
だいぶ片付いてきましたが、最後に④の『カツオを乗せる道具』が残っています。
トライデント、あるいは虫歯菌が持ってるやつみたいな形状で、しかも直火に入れても問題ないアイテムが必要です。
長い鉄串なんかでも代用できるみたいですが、やはり持っていないし火のすぐ近くに手を出すのはだいぶ怖いですね。
先端が金属製の、長い持ち手がついた物を改造したらなんとかなりそうですが、あるんでしょうか。
ありました。
バトルアックスです。大学の入学祝いにもらいました。
護身用らしいですが、人に使ったことはありません。
木製部分が直火に晒されないようにしつつ、ダイソーの焼き網をくくりつけることで完成しました。
カツオたたき(道具名)です。
全ての問題が片付いたので、意気揚々と鴨川に乗り出しました。
今まで準備した物品の一式にさらに消火用バケツ、冷却水入り鍋、カツオなどが増えてだいぶトンチキな感じになりましたが、鴨川はおおらかなので大丈夫です。
じゃあ叩こうか、となった直前で指摘が入り、気づきました。
焚き火台に給気口がなく、このままだとうまく燃えません。
河原の石の尖ったやつで開けるしかないか、と思っていたのですが
記事用 pic.twitter.com/wkRROcGCAc
— 京都大学おすしだいすきクラブ (@ku_odc) 2020年10月31日
バトルアックスの尖った側を使えばいいことがわかりました。
これ一本で穿孔から調理までぜんぶできます。いかがですか?
紆余曲折ありましたが、カツオが叩かれている様子です。
やっと魚の写真が出てきましたね。
サクにしたあと皮目に塩をしたものを炙っています。
味がつくほどの量ではないので、たぶん皮のタンパク質になんか作用して破れにくくするのでしょう。両面をあぶり、そのまま氷水に浸しました。
叩きの焼き加減にもいろいろあるらしく、加熱された層をブ厚めにする流派もあるんですが、今回は極力中に火が入らないよう努めました。
焼いて硬くなった身が寿司に向かないと言うのが一つ、ウェルダンかつおは生鮮館で安く買えるというのがもう一つです。生鮮館の叩きはコスパが異常に良く、おすすめです。
使い終わったカツオたたきは川で冷やしました。3部のアヌビス神みたいですね。
叩きらしく色々と薬味をのせて寿司にしました。
「っぽさ」を求めてポン酢ジュレを載せたんですが、だいぶ良かったです。おすすめ。
あと寿司下駄が導入されました。それっぽくていいですね。
写真1枚目の寿司下駄と2枚目の寿司下駄は数十倍の価格差があり、2枚目はダイソーで買ったやつです。見比べるとあきらかにチープだし、表面がガザガザしていて酢飯がくっつきだいぶ最悪でした。あんまりおすすめしないです。
肌寒くなってきたのであたたかみも欲しくなり,ヅケの竜田揚げを作りました。
あとはアラ出汁でラーメンを作ったり。どっちもおいしかったです。
ワラは英語でストローなのでいけるだろとコーラに挑みましたが、ぜんぜん飲めませんでした。調べたら語源になったのは麦わららしいです。それはそうか。
でかい火を見るのは良いことなので、来年もまたやりたいですね。初ガツオの走りを使えばギリギリ新歓期にできるかもしれません。
唯一の反省として開催日があります。
会員の予定を鑑みて日曜開催にしたんですが、市場が休みの日なので新鮮MAXのカツオが手に入りませんでした。鮮度保持のための工夫は思いつくかぎりやりましたが、やはり最高とは言えない状態でした。
次回があるなら土曜開催にしましょう。
今回・前回とかなり気合を入れて準備してしまったので「いつもこんなに凝るわけじゃないぞ」という周知もかねて、次回は普通にスーパーで買った魚を普通に寿司にする会をやろうと思います。
それではまた次回。